フォーラム・シンポジウム報告

平成27年度全国棚田(千枚田)連絡協議会総会 ・第21回全国棚田(千枚田)サミット

 第21回全国棚田(千枚田)サミットが、平成27年10月23日~24日にかけ「共につたえよう美しく豊かな棚田 ~ふるさとを未来へつなぐ~」をテーマに、佐賀県玄海町の町民会館で開催されました。2日間にわたり全国から約600人の参加がありました。

 サミットに先立ち、平成27年度全国棚田(千枚田)連絡協議会総会があり、平成26年度の事業報告および決算、平成27年度の事業計画および予算案、サミット共同宣言案や開催地計画、役員改選ほかの議案について承認されました。

全国棚田(千枚田)総会
全国棚田(千枚田)総会

 サミットのオープニングでは、地元のあおば保育園とふたば保育園の園児らによる、全国棚田(千枚田)サミット公式テーマソング「棚田へ行こう!」の合唱と、玄海みらい学園の小中学生らによる有浦和太鼓「魂」の勇壮な歓迎演奏で幕が開きました。

全国棚田(千枚田)サミット
全国棚田(千枚田)サミット

 開会式では、全国棚田(千枚田)連絡協議会 横戸長兵衛 会長(山形県上山市長)が主催者挨拶を、開催地のサミット玄海町実行委員会 岸本英雄 会長(佐賀県玄海町長)が歓迎の挨拶を、また来賓として古川康 衆議院議員と井上明 九州農政局長から祝辞がありました。

全国棚田(千枚田)サミット
全国棚田(千枚田)サミット

 事例発表では、地元玄海町から「棚田米を起爆剤とした地域振興策」と題し、地元特産品をふるさと応援寄付金制度を活用し、生産者と消費者を結びつける取組みが紹介されました。また、唐津青翔高校は、棚田を含む自然環境の保全は、海にそそぐ水の重要性に着目し、その実態を明らかにするため貝類の生息状況調査の結果が報告されました。

全国棚田(千枚田)サミット
全国棚田(千枚田)サミット

 続いて基調講演では、造園家で東京都市大学環境学部教授も務める涌井雅之氏から、「景観から見た日本の心」というタイトルで、自然共生型の国土作りを目指し持続的未来を保証する戦略が必要であるとした講演がありました。

全国棚田(千枚田)サミット

 この後3つの分科会に分かれて議論が交わされ、第1分科会では「棚田を未来につなぐ ~棚田保全の必要性~」をテーマに、保全の実態や事例報告およびボランティアの活躍の重要性などが話し合われました。


 2日目は、4つのコースに分かれ現地見学会があり、「浜野浦の棚田ウォーキングコース」に参加しました。

 玄海灘に面した浜野浦川の河谷斜面に広がり、仮屋湾から駆け上がるような棚田を形成しています。平均傾斜1/7、面積11.5ha(283枚)の棚田では畦畔がすべて石積みであり、等高線に沿って見事な曲線を描いています。
 平成11年に日本の棚田百選に、平成23年には佐賀県遺産に選ばれ、また、棚田の谷間から海に沈む夕日の映える光景が美しく、全国から多くの観光客が訪れるとのことです。

全国棚田(千枚田)サミット
全国棚田(千枚田)サミット

全国棚田(千枚田)サミット
全国棚田(千枚田)サミット

見学コース内では地元の方々から歓迎のおもてなしがあり、田植えのダンゴ、みかん、ミシマサイコのお茶などいただきました。

 第22回全国棚田(千枚田)サミットは、平成28年7月14日~15日に新潟県佐渡市で開催の予定です。